レントゲン撮影やCT撮影など放射線を人体に照射した際には照射録を必ず作らなくてはなりません。
放射線技師法では以下のように明文化されてます。
(照射録)第二十八条 診療放射線技師は、放射線を人体に対して照射したときは、遅滞なく厚生労働省令で定める事項を記載した照射録を作成し、その照射について指示をした医師又は歯科医師の署名を受けなければならない。2 厚生労働大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、前項の照射録を提出させ、又は当該職員に照射録を検査させることができる。3 前項の規定によつて検査に従事する職員は、その身分を証明する証票を携帯し、且つ、関係人の請求があるときは、これを呈示しなければならない。
国家試験の勉強でよく見た文章ですが、働き出してから見てみると保存期間など肝心なことが書いてません。
当記事では私なりに照射録について補足をしていきます!
照射録はレントゲンを撮ったら作成
医師からの依頼で診療放射線技師がレントゲン、CT撮影など放射線を人体に当てたら必ず照射録を作らなくてはなりません。
ただ医師が自ら撮影したときは照射録を作成する必要はありません!
が、あくまでも法律的な話なので実際には医師が撮影した場合でも作ったほうが良いでしょう。
未作成だと保健所の立ち入り検査で指摘されますからね。
必要な記載事項
照射録に記載するべき事項は以下の通り。
- 照射を受けた者の氏名,性別及び年齢
- 照射の年月日
- 照射の方法(具体的にかつ詳細に)
- 指示を受けた医師または歯科医師の氏名及びその指示の内容
定められている事項はこれだけなので以下の様に書いておけばOKです。
- ①○○ともき様 男 30歳
- ②平成28年1月5日
- ③140kV 1mA 0.05s 200cm
- ④胸部立位PA撮影 医師の署名 技師名の記載は必要ありません(x_x;)
法的には撮影した技師の名前は必要ありません!
国試の頻出問題で嫌というほど教えられますね。
ただ実際は記載してる病院がほとんどです。
ていうか書かないと怒られます。
私も年に1回の病院立入検査のときに、技師名が書いてない照射録があるよ!と保健所の職員に指摘されてしまいました(T_T)
技師法では必要無いことになってますけど、実際の現場では書くようにしましょう。
1つでも指摘事項があると落ち込むものです。。。
医師の署名に関しては電子署名、印鑑、直筆サインのどれでもOKみたいですが立入検査に来た職員次第で、これは駄目だよ!改善して!と言われることがあります。
また医師に署名をしてもらうタイミングですが照射録は撮影後に遅滞なく作成する必要があるので、署名に関してもすぐにしてもらうのがベストです。
ただ実際には1週間とか1ヶ月分をまとめて署名してもらう施設もあるようです。
被曝線量は不要
被曝線量については照射条件をしっかりと記載しておけば、書く必要はないみたいです。
RIS、PACS、一般撮影装置が連携して自動的に被曝線量の計算を行ってくれるシステムを組んでいるところもありますね。
保存期間
照射録は○年保存すること!
みたいな規定は無いみたいですが 一般的に医師法24条で定められている診療録、カルテと同じく5年保存して置けば間違いは無いです。
5年といっても6年目になった瞬間にシュレッダーや廃棄処分するという施設も少ないとは思いますけどね。
余談ですが電離放射線健康診断の結果は 30年保存なので捨てちゃダメ!
電子カルテが自動で作ってくれる
ただ実際に手書きで作成したことある技師っていうのはどんどん減ってると思います。
電子保存も認められていますし、最近は電子カルテが自動的に作ってくれてます。
東芝のCTだとCT装置が照射録作ってくれます。
システム担当や技師長が電カルの照射録を管理していて 若手の技師は照射録なんて気にしたことが無い人も多いです。
良いのか悪いのかですね。。。 「我が病院の照射録はどのように管理されているのでしょうか?」と尋ねてみましょう!きっと優しく教えてくれますよ!
それか冷たい態度で「電子カルテ見たらいいじゃん」と言われるリスクもありますが。。。
今まで気にも留めなかった照射録について見つめ直すと新たな発見があるかもしれません!