1つ前の記事では診療放射線技師法改正案の届出制度などについて書きましたが、その他にも大きな変更&追加点があります。
あくまでも改正案の段階なので決定した訳ではありませんが、こちらもまた自分自身のメモ書きついでに紹介していきますので宜しければご覧ください。
薬剤師と同じく疑義照会!そして検査録も作ろう
医師の指示に従うだけじゃ駄目
2017年現在コメディカルの中で唯一、医師に対して疑義照会の義務があるのは薬剤師だけです。
(処方せん中の疑義)
第二十四条 薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて調剤してはならない。
ただ単に医師の指示に従っているだけじゃ駄目だよ!という項目があるので、医療裁判等になったときには医師だけじゃなく薬剤師にも重い責任が発生します。
そして今回発表された診療放射線技師法改正案の中には薬剤師と同じく疑義照会の項目が追加されました。
(疑義照会)
第二五条 診療放射線技師は、医師又は歯科医師の指示に疑わしい点があるときは、その指示をした医師又は歯科医師に問い合わせてその疑わしい点を確かめた後でなければ、これによつて照射をしてはならない。
薬剤師法では処方せん中の疑義となっていますが、技師でいう処方せんにあたる!?照射録はX線業務後に作成される書類ということで照射録中の疑義とはできませので、ハッキリと(疑義照会)の4文字熟語が踊ることになりました。
無駄な検査も指摘
どこまでを疑義照会したら良いのかという問題ですが、現時点ではガイドライン等は無いようなので分かりません。
僕の病院ではIVR-CTが導入されて以来、確実にIVR治療中で受ける被曝がCTによって増大しました。
何回もCTを撮る医師もいてビックリしますが、、、便利なのは分かるけど無駄な1回は結構あるように思えて仕方がありません( ノД`)シクシク…
今でも疑義照会しちゃいけないわけではないので言えば済む話ですし、するべきなのは100も承知なんですが難しいですね仕事って。
あと看護師さんは「○○さん昨日もレントゲン撮ったけど必要なの?ヾ(。`Д´。)ノ彡」
と僕に対して言ってきますが、このような場面でも医師に疑義照会する必要があるのでしょうか?非常に悩ましい問題です(´;ω;`)ウゥゥ
照射録に署名
照射録に撮影した放射線技師の署名は必要?不要?というのは国家試験での頻出問題で答えは「技師の署名はいらない!」で、ちょっぴり残念な気持ちになるというあれです。
今回はそんな気持ちを知ってか知らずか、照射録には技師の署名も必須にしよう!という文面が追加されました。
また曖昧だった保存期間はカルテ(診療記録)と同じく5年になるようです。
2 診療放射線技師は、照射を実施したときは、その照射録に記名押印し、又は署名しなければならない。
3 照射録は、その照射の日から五年間、これを保存しなければならない。
照射録のサインに関しては数年前の保健所による立入検査で、技師のサインが1枚無かったのが見つかって注意された思い出があります(´;ω;`)ウッ…
数年前に限らず今現在でもサインは無くても法的には何の問題もありませんが、臨床現場での理想を言えば責任の所在等もあるしサインはあったほうがいいよね!?という指摘を受けたのです。
ほとんどの施設で紙照射録にしろ電子照射録にしろ技師の名前は何処かに入っているので影響があるのは国家試験ですね!
法改正後の国試では間違いなく技師の署名に関する問題が出題されることでしょう。
検査録を作ろう
そして何だこれは!と思ってしまったのが検査録と言う項目です。
第三十条 診療放射線技師は、第二四条の二に規定する業務を行ったときは、遅滞なく厚生労働省令で定める事項を記載した検査録を作成しなければならない。
2 診療放射線技師は、検査を実施したときは、その検査録に記名押印し、又は署名しなければならない。
3 検査録は、その検査の日から五年間、これを保存しなければならない。
4 厚生労働大臣又は都道府県知事は、必要があると認めるときは、前項の検査録を提出させ、又は当該職員に検査録を検査させることができる。
5 前項の規定によつて検査に従事する職員は、その身分を証明する証票を携帯し、且つ、関係人の請求があるときは、これを呈示しなければならない。
照射録とは別に検査録というのが追加されました。
記載事項については厚生労働省が定める事項とあるので、現時点では不明ですが、、、こちらは紙媒体にしろ電子媒体にしろ追加されたら現場に大きな影響を与えそうですね。
改訂前に準備をしておこう
何気に現場への影響が多い今回の技師法改訂案ですが、事前に把握さえしておけば慌てる必要はないのかなという印象です。
こちらの記事で紹介したように免許も更新制度というよりは単純に2年に1回届出をしましょうという優しい案になっていますしね。
また何か動きがありましたら更新&記事追加をしていきます!
引用出典:http://www.jart.jp/news/ib0rgt0000003mwz-att/ib0rgt0000003mz9.pdf