病院やクリニックでMRI検査を受けるときに様々な注意事項を説明されたけど、いまいち理解できなくて着ていく服で悩む人は多いと思います。
他にも検査室内には金属を持ち込んではいけないなど注意事項がたくさんありますね。
そこで今回はMRI検査の服装と注意事項のまとめ、なぜ金属を持ち込んではいけないの?
などの理由も合わせて検査を担当している放射線技師が解説していきます!
目次
金属(磁性体)が駄目な理由
まずMRI検査で服装や持ち物について注意事項が多い理由は、金属を絶対にMRI検査室内に持ち込んではいけないからです!
MRI(magnetic resonance imaging)は日本語で言うと核磁気共鳴画像法となり、核磁気共鳴(nuclear magnetic resonance)現象を利用して人体内部の情報を画像化する検査です。
検査室内では強い磁場が発生しており、磁性体と呼ばれる磁石にくっつく性質を持つものを持ち込んでしまうと、MRIに引き寄せられくっ付いて取れなくなってしまいます。
MRIに引き寄せられると言われても、イメージが沸かないと思いますので動画をご覧ください。
酸素ボンベがMRIに吸い込まれてスイカを木っ端みじんにしています!
※音量注意
酸素ボンベの様に数十kgの重さがある物体でもこのありさまです。
財布やスマートフォン、金具が使われているバッグなどは絶対に金属は持ち込んではいけません!
注意事項・医師に確認を
MRIは先程、紹介したように非常に強い磁場を発生するので検査を受けることができない人もいます。
確認が必要な項目について例を並べましたので、1つでもあてはまる方は医師に相談して下さい。
検査前には確認のため問診もありますが、事前に知っておくと良いでしょう。
- 心臓ペースメーカーを入れている
- 人口内耳や神経刺激装置など体内に電子機器を入れている
- 手術などで体内に金属を入れている(脳動脈クリップなど)
- 可変式圧式のシャントを入れている
- その他、体内に金属が入っている
- 妊娠をしている
- 閉所恐怖症の方
服装はシンプルに
MRI検査を受ける際の服装ですが多くの病院・クリニックでは検査着が用意されているので色々考えるのが面倒!
という方は着替えてしまうのが手っ取り早いです。
金属のボタンや派手な装飾がされている服を着ていったとしても、脱いで検査着に着替えれば問題はありません。
ブラジャーやキャミソールはダメ
特に女性に知っておいて欲しいこととして、ブラジャーは外すことになります。
患者様本人がホックやワイヤー部分に金属は無いと言っても、もしかしたら使われている可能性がありますからね。
検査室内に持ち込んで良いブラジャーかの判別は種類や材質等を根掘り葉掘り聞かないといけないですし、検査のためとは言っても人によっては不快に思うでしょう。
こちらは健康診断でお馴染みの胸部レントゲン写真を撮る際の服装についてまとめた記事です。
宜しければご覧くださいm(_ _)m
小物は置いていき、アクサせりーは全て外そう
財布や携帯電話・スマートフォンなどの小物類も、絶対に検査室内に持ち込まないようにしてください。
腕時計やピアス、ヘアピンといったアクセサリー類も絶対に外しましょう!
MRIを受けるのが分かっているのであれば、当日はつけずに家においてくるのをオススメします。
指輪やピアスを外したはいいけど、外したことを忘れて帰ってしまったり、何処にしまったのか分からなくなったり、小さいから無くしてしまったりということが非常に多いので。。。
湿布やエレキバンも外す
見落としがちなものとして湿布やエレキバン、使い捨てカイロなどがあります。
これらの身体に貼って使用するものは火傷の原因になりますので、必ず外して下さい。
毎日のように貼っていると気が付きにくいのですが、忘れていたでは済まされないことになるので要注意!
そして近年の禁煙ブームでニコチンを含んだ張り薬がありますが、こちらも剥がしてから検査に望みましょう。
禁煙パッチに限らず張り薬は基本的に剥がしておいてください。
検査を受けるあなたが検査室内に持ち込んでよいのは、あなた自身だけだと思ってください。
女性はメイクにも注意を
女性の方はメイクにも注意しなければなりません。
マスカラやアイライン・アイシャドー、その他ラメ入りの化粧品は金属成分が含まれていることがあるので、MRI検査を受ける日はメイクしないか、検査前にしっかりと落とすようにしてください。
火傷の原因、画像不正の原因になります。
こちらの画像は目の周りのお化粧をしたまま撮影された頭部MRIです。

前に2つ付いている半円状のものが眼球ですが、アイメイクの影響によって画像が欠けてしまっています。
アイメイクをしていなければ、このように欠けることなく描出されます。

タトゥー(入れ墨)が駄目なのも同じ理由
タトゥー(入れ墨・刺青)が入ってるとMRI検査を受けられないことがありますが、理由としてはアイメイクと同じで金属成分がインク・染料に含まれているからです。
コンタクトレンズも外しましょう
コンタクトレンズは多くの施設で外しましょうと説明されます。
これはコンタクトの眼球の間に微細なゴミが入っていると、画像に影響を与えたり角膜を傷付けてしまう恐れがあるからです。
また視力補正用ではなくてファッション用のカラーコンタクトには、金属を含んだものがあるので絶対に外して下さい。
外すものチェックリスト
MRI検査を受ける際に持ち込んではいけない物のまとめです。
以下に書いていない物でも外せるものは外す!必要のないものは持ち込まない!を徹底してください。
衣類
発熱作用を持った肌着(ヒートテックなど)、ブラジャー、金属・ラメ等で装飾がしてある服
金属類
眼鏡、腕時計、補聴器、ピアス、イアリング、ネックレス、指輪、ライター、ヘアピン、鍵、スマートフォン
カード類
クレジットカード、キャッシュカード、各種ICカード(SuicaやPASMO)
その他
次期治療器(エレキバン等)、コルセット、ベルト、カイロ、湿布薬、貼り薬
説明をしっかり聞きましょう
MRI検査の服装や注意事項をまとめてきましたが、実際に検査を受ける際には医師・看護師・そして放射線技師によって何度もチェックされます。
動画で見て頂いた通り本当に大事故につながりますので、現場の職員の指示に従って安全に検査を受けてください。
病院によっては金属探知機でチェックを徹底しているところ、空港でお馴染みのゲート型金属探知機を設置しているところもあります!
何度もしつこいよ(x_x;)と思う人もいるでしょうけど、あなた自身の身を守るためなのでご協力の程をよろしくお願いしますm(_ _)m