どんな職業にも人それぞれ向きと不向きがありますが、診療放射線技師はどうなのでしょうか?
今回は放射線技師として働く上で必要な能力や向いている人、適正などを紹介していきます!
技師になろうと考えている人の参考になれば幸いです。
目次
放射線技師のお仕事に必要な能力と適正
コミュニケーション能力は必須
暗い部屋でレントゲンを撮っていたり、CT・MRIなど医療機器を相手にしているというイメージがあるせいか、あまり人と話す必要がない職業だと思われている節がありますが、実際はそうではありません。
患者さんを撮影室に呼び込むときには、接客業さながらにハッキリとした声でお呼びしなければなりませんし、撮影するのに必要なことを言葉&動作を使って巧み説明する必要があります。
- 服、アクセサリーなど身に付けている物の着脱
- 斜位撮影など身体を斜めにしてもらうとき
- 撮影に関しての注意事項(特にMRIでは重要!)
- 子供には恐怖の与えない様に明るく優しい対応
- 高齢者の方には丁寧で優しい対応
書き出したらキリがないぐらいに色々なことに配慮しなければなりません。
レントゲン撮影は新生児の子(NICUでの撮影)から100歳を超える方までが対象になるので、老若男女問わず幅広い年齢層の方がきますし、各々の患者さんに合わせた接遇スキルが必要になります。
僕自身、働き出したころは3歳~12歳ぐらいまでの子供への接し方がとにかく下手でしたね(x_x;)
今までの人生でこの年代の子達と接したことがなかったですし、自分の子供もいるわけではないしで、どうにもぎこちなかったことを思い出します。
あと子供だと両親、特にお母さん相手の適切な接遇も求められます。
技師は白衣やケーシーを着ているので、注射されると思って泣いてしまう子や動いてしまうことも多く、このようなときにはお母さんにお手伝いを依頼することも必要となりますからね!

また男性技師が女性を撮影するときにはシンプルかつ分かりやすく、下着を外す理由などを説明できるスキルは必須!
例えば肩関節撮影を行うときにはブラジャーの種類(使われている素材等)によって、外してもらうのか撮影側(検側)の肩紐だけを下げてもらうのか、もしくはそのままで良いのが変わってきます( ノД`)シクシク…
うまく聞き出して患者さんにとって最も楽かつ、こちらにとってもスピーディーな方法を模索する必要があります。
この辺りは施設によってルール決めされてると思いますが、初めて肩のレントゲンを撮る女性はブラジャーのことを聞かれるとは思ってもないので、ちょっとだけビックリした表情をされるのがこちらとしても何とも言えない気持ちになります(x_x;)
初対面の男にいきなり下着のことを聞かれる訳ですからそりゃね。。。
ドクター、看護師など多職種との連携
放射線技師のお仕事風景というとX線撮影装置を動かしているところや、CT・MRIの横に立ってボタンを押していたりコンソール画面を操作しているところばかりクローズアップされるので、1人で仕事をしているかのように思えますがもちろんそうではありません。
ドクターには
- 撮影オーダーの確認
- 造影撮影であればタイミングや時間、造影剤の種類・量の確認
- カテーテル、透視検査であれば指示と目的に合わせた機器操作
看護師さんには
- 撮影室への出棟依頼
- モニター心電図の着脱、ポータブルXPの補助など撮影への協力依頼
- 患者さんの具体的な情報交換
などなど話す機会は豊富!
個人的に何気に難しいと思うのが、忙しそうにしている医師や看護師に話しかけたり電話するタイミングです。
これは話しかける状況と相手の性格をも把握しないといけません(笑)

と分かっていつつも重要な用事があるときには勇気を出して聞いている次第です。
医療系ドラマに放射線技師が出てきたとしても、せいぜい
Dr<「MRI撮って!いますぐ!」

Dr「○○の処置終わったらCTよ!準備しといて!」

ぐらいのシーンしか無いので、会話しているイメージが無いと思いますが(´;ω;`)ウゥゥ
あとはCT操作室で撮影したばかりの画像を技師の肩に手を置き前のめりで読影しているシーンもチラホラありますね。
Drの鋭い指摘に対して「そうですね~」と簡単な同意をするぐらいのセリフしか聞いたことはありませんが(x_x;)

もっとイメージ通りの画像があれば良かったんですが見つかりませんでした。
真面目で手を抜かない人
放射線技師の仕事は必ず「画像」という形で結果が証拠!?として残ります。
なので仕事(撮影)で手を抜いたら絶対にばれます。
最も基本的な胸部レントゲン(立位PA撮影)で肩甲骨の外れ方が最も分かりやすいところですね。
もちろん患者さん個々によって肩甲骨の可動域や外れやすさはあるにせよ、毎回ほとんど外せていないという技師もいるのは事実ですから。。。
胸部で手を抜く人は整形・骨撮影でも雑な写真になりがち!
今は電子カルテの時代ですので、雑な写真を撮った技師の氏名もすぐに分かり、整形の医局からお怒りがくることも!
医局からのクレームと現場ではよく言ったりしますが、この場合は明らかに技師サイドが悪いですからお怒りとしました。
社会人として仕事をする上で手を抜かない、真面目というのは当たり前のこどではありますが単純作業になりやすい胸部レントゲンに慣れてきたころに再度気を引き締めなおしましょう。
勉強は欠かさない事
医療は日進月歩で進んでいるから医療従事者も毎日のように勉強が必要とよく言われるものですが、放射線技師も当たり前ですが当てはまります。
病院という現場でコメディカルとして働くようになれば、主要な血液データと疑われる疾患については知っているのが当たり前ですので、放射線技師のお仕事だけについて勉強していればいいという訳でもありません。
分からないことがあれば素直にドクターや看護師さんに聞いて、自分の確固たる知識として身に付けていきましょう!
1人でも何でも気軽に聞ける多職種の人がいるだけで凄く勉強になります!
パソコン、機械好きだけでは駄目
放射線技師は医療機器やコンピューターを扱うのでパソコンが得意だと向いてるね!という意見もチラホラ見かけますが、よっぽど不得意なら別ですがパソコンスキルについては苦手でも学生の内に自然と覚えますし、必要な能力というか適正かというと微妙なところです。
そりゃ元々身についていることに越したことはないですけど、

という気持ちなら辞めて下さいね。
まとめです
書いている内にだらだら長くなってしまいましたので最後に今回の記事のポイントを簡単にまとめておきます。
- 老若男女問わず撮影するので臨機応変な接遇スキルは必須!
- Dr、NSとのコミュニケーションできる能力は必須!
- 常に勉強する姿勢を持つ!
- パソコン得意はあまり意味ない!?
- 人と接したくないでは駄目!
素性があまり知られてない技師のお仕事ですので僕自身の経験を交えながら書いてみましたが、意外と色んな人とコミュニケーションを取る機会が多いのです。
- 小さな子供や体が不自由な高齢者の方
- 変わり者が多く一癖も二癖もあるドクター
- 根は優しいけど怒らせたら怖い看護師さん
などなど楽しいといえば楽しいですけどね(笑)