強制的にX線照射での不妊手術を受けた女性の記録ビデオ「忘れてほしゅうない」

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既にお亡くなりになられていますが、本人には何も知らされることなくX線照射による不妊手術を受けさせられた女性のノンフィクション記録ビデオがあります。

ビデオのタイトルは『忘れてほしゅうない隠されてきた強制不妊手術~』

モデルとなった女性の強い思いが込められているそうです。

ここで少しでも広めるために紹介していきます。

出生後に脳性マヒを発症した女性

広島に住んでいた佐々木千津子さんは戦後間もなくの1947年12月28日に生をうけましたが、1週間後に脳性麻痺を発症し姿勢保持、四肢の運動、摂食、発語などに障害を持ってしまいました。

不自由はありながらも一生懸命に生きてきた千津子さんですが、当時は今よりも障がい者に対する偏見や差別が強い時代だったので、この障害が原因でお姉さんの縁談が取りやめになったそうです。

家族にこれ以上の迷惑はかけられないということで施設に入所することを決めましたが、生理の処理を自分でできないのであれば受け入れは無理ですとのこと。

ただ施設側から、とある手術を受ければ入れますよ!とも言われた千津子さん。

この手術で月経が無くなる=不妊になるという恐ろしい結果が待っていることも知らずに受けることになってしまいました。。。

 

優生保護法

20年前の1996年まで日本には優生保護法という法律があり異常な子を作らせないという名目で障がい者、ハンセン病の女性に対して強制的に不妊手術を受けさせることがあったそうです。

つい最近の話ということにビックリしますが。。。

※現在は母体保護法と名前が変わり、強制断種(強制不妊)についての項目も削除されているので行われなくなっています。

 

X線照射による強制不妊

不妊にさせる方法として用いられたのは、なんとX線照射でした。

女性は骨盤部(生殖腺である卵巣)に2500mGy~6000mGyの被曝を受けると、永久不妊になることが分かっています。

骨盤部CT1回の被曝量が約10mGyなので、単純計算だと約250回以上連続でCTを撮ると不妊になります。

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X線による強制不妊術

この画像を見ると身体を固定して放射線を浴びせ続けたということです。

X線を照射されても痛みは何も感じないので不妊術を受けさせられた佐々木千津子人さんは、何をやられているかもよく分からなかったはずです。

この見ただけで怖くなる不妊術ですが、戦前に行われていたそうです。

i)1910年代~1920年代まで、主に大学病院で治療及 び実験を目的として実施された。
ii)1930年代以降、一般の医院でも実施され、避妊や 人工流産の目的でも実施された。 「絶対、安全、確実」と一般書でも宣伝され 、一 般の人が放射線照射による不妊化を受けたり、人 工流産を行ったりした。

出典:『忘れてほしゅうない』―強制不妊手術に使われたX線照射 真野京子

 

問題に立ち向かう

後に放射線を使った不妊術だったことを知った千津子さんは障がい者支援団体「広島青い芝の会」を通じて、自らが体験した恐怖、辛さや、X線を使った不妊術が実際に行われた事実を伝える活動に尽力していきます。

 

胎内被曝の影響

記事に関連して女性が妊娠しているときに被ばくを受けたときの影響について紹介します。

胎児期 胎齢 妊娠周期 影響 しきい値[Gy]
着床前期 受精~9日 2~3週 胚死亡 0.1
器官形成期 受精後2~8週 4~10週 奇形の発生 0.1
胎児期 受精後8週~出生 10~40週 発育異常 0.5~1.5
精神遅滞 0.2~0.4

しきい値は被ばくによる影響が起こりうるのに必要な線量のことです。

受精~9日までに0.1Gyの被ばくを受けると胚死亡(流産)が起こるリスクが出てきます。

 

受精後2週を超えると0.1Gyの被曝で流産することはありませんが、奇形が発生するリスクがあるということです。

妊娠期間と被曝量によって胎児が受ける影響は異なります。

 

また出産までの全期間で放射線被曝を受けると遺伝的影響、発がんリスクが高くなると言われています。

ただ遺伝的影響については動物実験から分かったことで人間において確認はされていません。

 

まとめ

現在はDVDなどで映像ソフト化されておらず、見るにはビデオ工房AKANEのサイトから申し込みが必要となっています。

出典にあげた論文だけでも読んでみてはどうでしょうか?

非人道的な放射線を使った不妊術が行われていた事実を知ってもらえたらと思います。

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