技師の就職先の定番といえば病院ですが、様々な病院があるのはみなさんもご存知の通りで仕事内容も大きく異なります。
急性期や療養型、精神病棟など分け方は色々ありますが、最も分かりやすく病床数で3タイプに分けてみます。
- ~200床までの小さな病院
- 200~500床の中規模病院
- 500床~の大きな病院
そして当記事では500床以上の大きな病院での技師のお仕事について紹介をしていきます!
500床以上だと以下のような病院が該当することが多いです。
- 大学病院
- 市民病院
- 急性期病院
- 特定機能病院
就職先にこれらの病院を考えている人は参考にしてみてください。
医療機器は一通り揃っている
大きな病院(特定機能病院、大学病院、市民病院など)には技師が扱えるモダリティは一通りそろっています。
- 一般撮影装置
- マンモグラフィ
- CT
- MRI
- RI(ガンマカメラ、SPECT-CT、PET)
- 超音波装置
- 放射線治療(リニアック、トモセラピー)
放射線治療装置が無い施設もありますがレントゲン、CT、MRIはほぼあると思って良いでしょう。
技師になるからにはすべてのモダリティーを扱いたい!
と考えているなら大きな病院に就職して下さい。
就職してすぐはレントゲンもしくはCTに配置されることがほとんどで、その後はMRIに配置されるのではないでしょうか?
RIや治療に携わりたいなら学生時代の内にRIや治療に関する研究をして、技師会や技術学会が主催する学会に発表者として参加しておくと良いでしょう。
放射線治療部門の即戦力としてあなたを雇ってくれるかもしれませんよ!
技師の人数は多い
大きな病院は当然のことながら技師の人数も多いです。
例えば40人いたとすると各モダリティ別の人員配置は以下のような感じですね。
- 一般撮影:12人
- CT:8人
- MRI:7人
- 放射線治療:7人
- 血管撮影・透視:4人
- 超音波:2人
- その他、技師長など管理職
まあ人モダリティ別の人数に関しては目安としてご覧ください。
いわゆる普通の企業みたいに事務、営業、企画、製造のように、はっきりと役割分担されているわけではありません。
今日は一般撮影の技師が少ないみたいだから手伝ってきて!
という感じであっさり言われたりします。
部門異動について
大病院では数ヶ月~数年で主に担当する医療機器が変わる放射線技師独特の異動があります。
この異動は病院によっても個人によっても違いますが、例を挙げると以下の通り。
- 一般撮影からCT
- CTからMRI
- MRIから治療
- 治療からMRI
- MRIから撮影と思ったらしばらくはMRI
あなたが得意なモダリティを見つけて、そのモダリティに関しての研究や学会発表をすると、そのモダリティに配属される期間の割合が長くなります。
MRI好きと上司に認定されて4年間の内3年位はMRIに配属になったら、MRIのスペシャリストになってくれ!という上司からのメッセージですので、その期待に答えられるように頑張りましょう。
覚えることは多い
医療機器が一通り揃っているので、当然のことながら覚えることは多いです。
少なくとも一般撮影、透視、CT、MRIについては造影も含めて習得しなければなりません。
就職する前は大変だ、、、自信ないなと思えてきますが、働き始めるとこんなことを思う暇もなく過ぎていき、自然と身に付くので過度な心配はしないようにしましょう。
あと技師は基本的に優しい人が多いので分からないことは、素直に聞いて下さい。
自分の職種を優しい人が多いっていうなよって話ですけど、まあ医師や看護師に比べると格段に接しやすく優しいと思います。。。
忙しいけど激務ではない
大きな病院は忙しいですが休憩が取れない程に忙しいということは少ないです。
大病院ということで病院自体、もしくは経営母体がお金をそれなりに持ってるので技師の人数も少しは余裕を持って雇ってくれます。
残業続きだ。。。ってことになっても同僚が変わろうか!?手伝おうか!?という優しい言葉をかけてくれることも多いです。
技師が多いので柔軟に各部門の人数を調整できますしね。
100床~500床程度の個人経営、民間病院だと技師の人数はギリギリに設定されていて、激務という職場は珍しくありません。
研究、学会発表
研究や学会発表をしたいなら頑張って大きい病院に入りましょう!
学生のうちに学会発表の演題を多くだしている病院をチェックしておくと良いでしょう。
学会発表が盛んに行われている職場なら周りの技師も理解があり協力してくれますし、アクリル板やファントム、アルミステップ、線量計など実験に必要なものも揃っています。
そんなの当たり前!と思うかもしれませんが学会や研究発表には一切参加しない職場だと、実験や研究に必要なものがありませんし、買ってもらうのも稟議書を書いて上司に伺いを立てる必要があり大変です。
雑用はほぼ無い
病院経営が大変な時代なので何処の病院も職員の数に余裕はありません。
中小規模の病院だと技師であろうと色んな雑用を任されますが、大きな病院なら技師の仕事に集中できます。
CT室の蛍光灯が切れたときは施設部門に電話すると、その部門の人が変えてくれますからね!
給料は良いです
お給料に関しては施設ごとに異なりますが、いわゆる中小規模の病院よりは高いです。
初任給こそ何処の病院も20万円前後で最初の10年位は大差ありませんが、その後の昇給額やボーナスに違いが出てきます。
小さな病院の場合、昇給が1年で3000円と決められたとすると定年まで3000円の可能性がありますが、大きな病院なら公務員の級や号のように年に1回の定期昇給とは違った形で給料アップが狙えますし、役職も多く用意されています。
また通勤手当や住居手当、福利厚生、財形制度なども大きな病院のほうが手厚いですからね。
もちろん小さな病院でも出世して診療部門のトップになったり事務長になれば高給料は狙えますが、大変なのは言うまでもありません。
病院が潰れる可能性も低いですし将来性、安定性から見てもおすすめ!
まとめ
新卒で多くの人が第一志望の就職先には一部上場企業を狙うように、技師も第一志望にはみんな大きな病院を狙っています。
他のライバルと差を付けたいなら第一種放射線取扱主任者の資格取得は必須、そして学生の内に学会で研究発表をして自分の名前を書く病院に売り込みましょう!