元素記号Wはタングステン|高融点で放射線にも強い凄い物質!

タングステンの使用用途について語る先生

普通の日常生活を送っている人でも4年に1回ぐらいは耳にすると思われるタングステンという名の物質についてまとめていきます。 放射線技師の僕はレントゲンやCTを撮るたびに、タングステンのお世話になっているので恩返しの意味も込めて。。。

原子番号74:タングステンとは

タングステンの特性

概要
元素記号:原子番号 W:74
族:周期:ブロック 6:6:d
CAS登録番号 7440-33-7
元素分類 遷移元素
結晶構造 体心立方格子構造
相対原子質量 183.84
電子配置 [Xe]4f14 5d4 6s2
電子殻  2.8.18.32.12.2
物理性質
光沢のあるグレー
標準状態(298K) 個体
密度[g/cm3] 19.25
モル体積[m3/mol] 9.47×10-3
熱伝導率[W/(m・K)] 174
 熱性質 
 融点 3422℃:6192℉:3695K
 沸点 5555℃:10031℉:5828K
 融解熱 35.3kj/mol
原子特性  
ポーリングの電気陰制度 2.36
第1イオン化エネルギー[kj/mol] 770
第2イオン化エネルギー[kj/mol] 1700

タングステンの発見

1781年スウェーデンのカール・ヴィルヘルム・シェーレが三酸化タングステンの分離に成功し、 タングステン酸と命名。1783年、スペインのファン・ホセとファウストのエルヤル兄弟がタングス テン酸を木炭で還元して初めて単体を得て、ウォルフラムと命名しました。 タングステン(Tungsten)とは、スウェーデン語で「重い石」という意味。元素記号のWはドイツ語 のWOLFRAM(ウォルフラム)にちなんでいます。これは、タングステン鉱石(鉄マンガン重石=w olfart)から来ており、これが錫鉱石の中に混入すると、鉱屑を作って錫の精製を阻害することか ら、錫を狼のようにむさぼり食べるという意味で名付けられました。

出典:日本タングステン株式会社

タングステンの使用用途

高原子番号、高融点、高比重、高電気抵抗で錆び難いなどの特徴を持っているので、様々な分野で使われている物質です。

  • 電球のフィラメントや蛍光灯の部品
  • 指輪、ネックスレスなどのアクサセリー
  • X線発生装置やCT装置のターゲットの焦点面
  • 銃弾や戦車の装甲部などの軍事素材として
  • 強度を活かして釣り糸として

金の延べ棒の中身として

タングステンは金と比重が近くて重さも似ているため、金の延べ棒の中身としても悪用されています!X線検査をしても見破ることは難しいので金を買うときは信頼できる人や会社から買いましょう。。。

タングステンの問題

技師国家試験でもタングステンに関する問題が出題されます。 (第56回ーAM問14)X線管の付加フィルタとして用いられないのはどれか

  1. モリブデン
  2. タングステン
  3. ロジウム
  4. アルミニウム

答えはもちろんタングステンです。軟線の除去、被曝量の低減のために使用するためのフィルタなので、タングステンを使うとX線が吸収されすぎて撮影ができず、話になりません(T_T) モリブデンとロジウムは一般撮影ではなく、マンモグラフィ装置のフィルタとして使われます。 (第52回ーPM問13)X線管について誤っているのはどれか

  1. フィラメントは電流で加熱されることによって電子束を放出する
  2. 収束キャップはフィラメントから放出された電子を焦点に収束させる
  3. ターゲットは電子のエネルギーを制動放射線に変換させる
  4. ターゲットには融点の低い物質を用いる
  5. X線の焦点はできるだけ小さくする

こちらの答えは4です。X線管のターゲット=融点が高くて高原子番号の物質⇒タングステンです!

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