医療機器安全管理責任者とは?資格・規程・実際の業務を解説

医療機器安全管理責任者について説明する女性

僕は診療放射線技師として働く一方で、病院の医療機器安全管理責任者にも任命されていますが、その業務内容についてはネットで調べても謎に包まれています。

とは言ってみたものの、目指すようなものでも無いですし、医療機器安全管理責任者1本で食べている人も極僅かでしょうし、選ばれるかどうかも運任せみたいなところもありますが。。。

そんな1つのお仕事!?について解説をしていきます。

医療機器安全管理責任者のお仕事

そもそも何それ

簡単に言うと医療機器全般に関わることの責任者で、病院などの医療機関では最低1人は配置してあるはずです。医療機器の始業・終業点検や保守点検、安全使用のための研修などを統括管理しなければなりません。今風に格好良く言えば医療機器マネジメントみたいな感じですかね!?

なるのに必要な資格

大前提として常勤職員かつ医師、歯科医師、薬剤師、助産師(助産所の場合に限る)、看護師、歯科衛生士(歯科に限る)、臨床検査技師、臨床工学技士、診療放射線技師のいずれかの国家資格を持っている必要があります。

医療機器のスペシャリストである臨床工学技士(ME)がいれば、MEさんが担当していることが多いのですが、MEさんを雇ってない所では、放射線技師が任されるケースが多々あります。

何故かと言いますとレントゲン装置、CT・MRI・SPECT・治療・造影剤を温めて置く機械などなど医療機器とは切っても切れない関係にあるので、メカニカルなことには詳しいと思われている節があり、僕が任命されたのもこの理由です。。。

まあ厚生労働省から配置せよ!っていう通達が来るぐらい立派なお仕事なので、任命されたら病院から信頼されている証拠なので自信をもって下さい。面倒なの押し付けられたよ(ノд・。) グスンなんてことは思わない様に(×_×)

業務内容

厚労省からは以下の3つをしっかりやってね!という通知が出されています。

1.従業者に対する医療機器の安全使用のための研修の実施

文字通り職員に対して医療機器に関する研修を行う必要があって、新しい機器を導入したときや、使用に関して特に知識・技術が必要な物に関しては年2回実施するなどのルールが決まっています。

我が院でもCT装置が新しくなったときに実施していますが、ただ職員相手にCTのマニアックな部分を説明してもあまり意味は無いので、更新したことによって医師・看護師さんの業務に影響があることや、検査時間が早くなったこと、患者さんの被曝量が減らせるようになった、1日にできる検査数が増えたみたいなことを纏めました。

2.医療機器の保守点検に関する計画の策定及び保守点検の適切な実施

保守点検っていうのは車で言う6ヶ月点検、1年点検、車検みたいなメーカー主導で行われる点検ですが、これをしっかりと計画表にまとめなければなりません。

保守点検計画書で調べると様式が色々見つかると思いますので、施設・機器に合わせたものを選んで使ってみて下さい。

必ず作成しなければならない機器は以下の7つです。

  1. 人工心肺装置及び補助循環装置
  2. 人工呼吸器
  3. 血液浄化装置
  4. 除細動装置(自動体外式除細動器:AEDを除く)
  5. 閉鎖式保育器
  6. 診療用高エネルギー放射線発生装置(直線加速器等)
  7. 診療用放射線照射装置(ガンマナイフ等)

ただ現実的には上記以外の医療機器についても保守点検に入っているのならば作った方がベターです。保健所の立ち入り検査で、せっかくだから作りなさいよ!みたいな指摘を受ける可能性があります(T_T)

作るの面倒。。。っていう人はメーカーに頼んでみましょう。その一言を待っていたかのごとく、サクッとした分かり易いテンプレートを貰えることがあります。やったー!

保守点検記録に記載するべき事項
  1. 医療機器名
  2. 製造販売業者名
  3. 型式、型番、購入年
  4. 保守点検の記録(年月日、保守点検の概要及び保守点検者名)
  5. 修理の記録(年月日、修理の概要及び修理者名)

3.医療機器の安全使用のために必要となる情報の収集

+その他の医療機器の安全使用を目的とした改善のための方策の実施も業務の内です。

常に最新情報を収集して、医療事故を未然に防ぎましょう!とのことなので、以下の機構を毎日のようにチェックしておきましょう。

  1. Pmda 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構
  2. 公益財団法人日本医療機能評価機構

メルマガも配信しているので登録は必須なのですが、不要なサービスにはチェックを外しておかないと、感染情報や医薬品情報など物凄い量のメールが来て頭がこんがらがることになるという諸刃の剣です。

点検表の作成・依頼

以上3つに加えて、やっておかなければならないのが日常点検の徹底です。

看護師さんに輸液ポンプ、セントラルモニタ、AED、エコー装置などなどを毎日点検してね!と伝えて、それを徹底させなければなりません(T_T)はぁ!?病棟業務が忙しくてそんなことやってられないわ!と怒られないように、下から目線で依頼しましょう。

こういう依頼ごとが多々あるので、僕は看護師長と非常に仲良くすることを心掛けているのです。。。年に1階の立入検査前に各病棟に点検表を回収しにいくのがルーチンです。

新しい機器が導入されたら点検表も作らなくてはなりませんが、とにかくチェックしやすいようにシンプルな構成にするのがベターです。文字だらけの表っていうだけで、拒否反応を示される確率大ですので。

添付文書の管理

医療機器には使い方や安全情報などが記載してある添付文書が付いてくるので、医療機器クラス分類別に分けて保存する必要がありますが、ただ1回保存して終わりという訳では無く、添付文書はスマートフォンのOSかのごとく、随時バージョンアップされていくので、こちらも随時更新をしていかなければなりません。

医薬品医療機器総合機構のホームページに1ヶ月以内に更新された添付文書情報が載っているので、毎日のようにチェックをする必要があります。

販売名(機器名)と企業名(販売業者名)が提示されているので、我が院で採用しているものがあれば、ダウンロードして更新します。

技師の僕にとっては見たことも聞いたことも無いような機器名がズラッと並んでいるので、看護師さんに協力してもらってなんとかこなしています。

研修参加

  • 公益財団法人 医療機器センター
  • 公益社団法人 臨床工学技士会

などの団体が主催して医療機器に関する研修を行っているので、必要に応じて参加するのも仕事のうちです。たまにはコンクリートや鉛に囲まれたレントゲン室を飛び出すのも良い気分転換になるものです。

給料・手当

任命されたからといって給料が上がったり、手当が付いたりすることは0とは言いませんが、期待はしないほうがいいでしょう。まあ昇進の評価に繋がるのかもしれませんけど、僕にはその光は見えません(T_T)頑張りが足りないんだろうね。

医療機器安全管理責任者のまとめ

もっと詳しく知りたい人は厚労省の通知をご覧ください⇒医療機器に関わる安全管理のための体制確保に係る運用上の留意点について

今回の記事は通知内容をザックリと説明しただけですので。。。


任命されたとて対してメリットも無く、褒められることも無く、クローズアップされることもない一方で、やらないと怒られるという何とも微妙な仕事ですが、やりがいはあると思いますのでチャンスあれば自ら立候補してみてはいかがでしょうか。人生が豊かな物になることでしょう!?

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