CT検査とは?被曝線量から撮影前の絶食の理由まで総まとめ!

CT検装置の画像

日本は世界のCT装置の約3割が設置されているぐらいのCT大国ですが、
体内を輪切りにした画像を撮ることができる装置ということぐらいしか知られていません。

今回は簡単な撮影原理、被曝線量や撮影の前処置などについてまとめていきます。

CT検査とは

CTの撮影原理

シーティーと当たり前のように呼んでいますが正式名称は
CT(computed tomography):コンピューター断層撮影の略です。

レントゲンと同じくX線を使った検査の1つで、身体内部の断面画像を撮影することができます。

装置は筒状となっており、X線を出す部分(X線管球)とX線を受ける部分(検出器素子)が
同時に体の周りを360°回転して体内のデータを集め、コンピューター処理を行うことで
肉眼的な画像データとして出力しています。

放射線は体内を通過するときに、骨や臓器、脂肪、筋肉といった組織の密度に応じて減弱します。

密度の高い骨はX線を吸収しやすいため、CT画像上では白く写り、
空気が多い肺や胃、腸管の内部は黒く写ります。

CT値

CTはグレースケールの濃淡で画像を構成しているわけですが、
各臓器でCT値というのが目安としてあり、この値の違いでコントラストを付けています。

  • 空気がー1000=黒
  • 水が±0=グレー
  • 骨が+1000=白

水を0として相対値として表したCT値を以下の表に記載。

組織・臓器 CT値
空気 -1000
-700
軟部組織 -300~-50
脂肪 -100~-60
0
血液 30~50
筋肉 40
700~1000

CT画像で真っ黒に写っている部分は空気がある胃の内腔で、白い部分は骨ですね。

CT値の説明画像

検査の実際

CTのベッドに仰向けで寝てガントリー(穴の開いている筒の部分)内部へ入って撮影が行われます。

放射線が出るため、ほとんどの場合で患者さん1人を残して、スタッフは検査室の外から出ますが、
撮影室と操作室とは、マイクを通じて会話が可能なので、安心して下さい。
カメラも設置されているので、自ら訴えることが困難な患者さんでも大丈夫です。

痛みは一切なく、撮影時間も装置によりますが数秒~長くても1分程度で終わります。

各組織の状態を知るため血管(静脈)に色を付ける造影剤を流しこみながら、
検査を行うこともあり、このときには少なくとも2回撮影を行います。
1回目は造影剤無しで、2回目は造影剤有りのパターンです。

撮影の時は息止めを必ずしっかりと行って下さい!
普通のカメラで動いていると写真がボヤけてしまうのと、
同じで呼吸による動きでCT画像もボケます。自分の身体のためを思って頑張って下さい。
胸部、腹部撮影のときに両腕を挙上して頭の上で組むように言われるのは
腕への無駄な被曝を防ぐためですので、こちらもご自身のために必ず行って下さい。

目的

CT検査は体内の各臓器の状況を身体に傷をつけることなく非侵襲的に知ることができ
腫瘍の発見、出血の有無、結石・石灰化等の発見に非常に優れています。

唯一といってもいいデメリットは放射線被曝があるということぐらいです。

被曝

CTは通常のレントゲン撮影に比べて数倍~数十倍の放射線を浴びることになりますが、
それでも検査の有益性が被曝を上回ることが明らかなので、多くの医師が重宝をしています。

CTより簡単に体内を知ることができて、被曝の影響も考えなくて良い検査として
超音波検査(エコー)がありますが、このエコーでは知ることができない領域をもカバー
することができます。

レントゲン、CT、エコー、MRIなど様々な装置のメリット、デメリットを考慮して
実施する検査を決定しています。

もし被曝をしないレントゲン、CTが開発されていたのなら、妊婦さんにも当たり前のように
検査が行われていたことでしょう。

妊婦さんにエコーが選択されているのは、胎児への影響が無いからです。

被曝線量

成人のCT検査の被曝量のまとめです。
装置や被検者の体型によって増減はあるのであくまで目安としてみて下さい。

撮影部位 被曝線量[mGy]
皮膚面 骨髄 生殖腺(男) 生殖腺(女)
頭部 30~50 3~10 0 0
 頸部 20~30 5~10 0 0
 胸部 15~20  5~15 0 0
腹部 20~30 5~15 0.1 1~3
骨盤 25~35 5~10 20~30 20~30

頭部CT

皮膚面の被曝量が多いですが、これは厚い頭蓋骨を透過させるためです。
脳は被曝の影響を受けにくい組織なので、心配する必要はありません。

腹部CT

肝臓から腎臓までを撮影範囲として考えています。
生殖腺への被曝はわずかなものなので、腹部CTであれば不妊の心配はないです。

骨盤CT

ここでは生殖腺への被曝(20~30mGy)が問題となりますが、影響が発生する線量ではありません。

  • 男性の一時不妊:150mGy以上
  • 女性の一時不妊:650mGy以上

絶食の意味

腹部のCTを撮る前の食事は抜いて下さいと説明されることがありますが、
この意味とは胃や腸から食物を無くすことではなくて、
胆嚢という臓器をしっかりと描出するためのものです。

胆嚢という臓器の中には胆汁という消化液が溜まっており、食事をすると胆汁が排出されてしまい、
CT画像上で胆嚢が写りづらくなってしまうため、絶食を依頼されるわけです。

息止めと同じで、あなたの身体を適切に評価するために、絶食はしっかりと行いましょう!

下の画像では明瞭に胆嚢が描出されていますね。

胆嚢のCT画像

腹部CTなのに、ご飯は自由に食べても大丈夫ですよと説明された場合、
医師が胆嚢は問題ないから見なくても良いという判断を下したんだと思って下さい。

まとめ

医療機関では丁寧に説明がされないことが多いことも書いてみました。

実際にCT検査を受けるにあたって、少しでも疑問に思うことがあったら
医師または放射線技師に遠慮せずに聞いてみることをオススメします!

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