胸部レントゲン立位PA像の撮影方法!条件などポイントを総まとめ!

胸部レントゲン立位PA像の撮影方法!条件などポイントを総まとめ!

診療放射線技師になったら、まず最初に覚える撮影で
なおかつ働き続ける限りお付き合いをしていかなければらない
胸部レントゲン撮影方法、条件やポジショニングにおける注意点を
教科書に載ってることだけではなく、自らの経験を交えながら書いてみます。

レントゲンを撮る機会が無い人にも見ていただけるように
息を吸って止める理由や、腕を外側に向けられる理由なども紹介していきます!

胸部レントゲン撮影方法

撮影条件

  • 管電圧:120~140kVの高圧撮影
  • 管電流:200mA
  • 撮影時間:0.05s以下(心臓の拍動の影響を最小限にするため)
  • 撮影距離:200cm
  • グリッド:10:1~12:1の高グリッドの物を使用

高電圧撮影は透過力が増して、写真のコントラストは低下しますが、肋骨影・石灰化が淡くなり、
肺野陰影が見やすく、心臓・横隔膜に重なる部分の肺野も描出できます。

撮影時間は0.05s以下を厳守!長くなると心拍動により画像にボヤケ、ブレが出ます。
最近は自動露出機構(AEC)、フォトタイマを使って設定濃度になったら、
自動的に曝射を終えるタイプが増えてきています。

撮影距離は拡大率を抑えるために、200cmと他の撮影より長くとります。
CTR(心胸郭比)の評価に重要です。

ポジショニング

  1. 照射野・フィルムの中心にPA方向で真っ直ぐ立ってもらい、肩を力を抜いて下げます。
  2. 肩甲骨の陰影が肺野から除外するために、掌を外側に向けて(両手背を腰に付ける)
    肘を前に出します。

PAで撮る理由(背側から撮影)
心陰影の拡大防止です。APだとCTRが10%程、過大評価になります

最後に肩甲骨を外すイメージで肩と肘を軽く前に押してあげると、より綺麗な写真になります。

衣服について

男性は基本的に上半身裸です。
女性はブラジャーは必ず外してもらい、検査着に着替えて貰います。
金具部分が写りますのでね。。。

病院・医療機関によって無地のTシャツならOK!などルールは違いますので郷に従って下さい。

ネックレスはもちろん、湿布・エレキバン等も撮影範囲に含まれていたら外してもらいます。

入射点・中心線

第6~7胸椎の高さ(肩甲骨の下縁が目安)で、フィルムに対して垂直、正中面に入射します。

フィルムサイズ・照射野

上は肺尖部から、下は肋膜角まで欠かさないように、肺野全体を撮ります。

フィルムのサイズは女性は大角、男性は半切ってザックリ言われることもありますが、
性別ではなく患者さんの体型から判断しましょう!

  • 痩せ形の人=胸郭が狭いので、肺野は縦に長くなります。
  • 肥満型の人=胸郭が広いので、肺野は前後方向に広がることができ、縦は短いです。

次に照射野ですが、上限を第7頸椎(隆椎)に合わせれば、肺尖部が欠けることは無いから
安心だよって教えられたりしますが、基本的に照射野は入射点を基にして考えましょう。

撮影

息を吸ってー止めて下さい!と合図をしたらバクシャスイッチを押して撮影です!
スイッチを押すときは必ず患者さんの状態を確認しましょう。
息止め不良、体動の可能性があります。

観察対象

肺動静脈、気道、気管支、大血管、横隔膜、心臓、肺尖域、胸郭など

動画

実際のポジショニングの動画です。

この動画で1つ抜けている点がありますね。肩甲骨を外す気が全くないということ!
前の手すりを持たせているだけです(x_x;)

高齢者の方だとふら付いて転倒の恐れがあるので、持たせたりしますが基本外します。

車椅子で来た患者さんを立位でとるときは、必ず車椅子を後ろに配置しましょう。

胸部写真の確認点

次は撮影した写真を見ての確認点です。

chest2

この胸部写真を例としてに説明していきます。

左右の肺野濃度は均一か

左と右とで濃度に違いが見られた場合は、疾患を疑うのではなくて、
まず自分の撮影にミスが無かったかを考えましょう。

入射点のズレ、X線管球の角度、身体の傾きなどによって左右差が出ることがあります。
グリッドを使うので、少しのミスで濃度差の原因となります。

左右の濃度が違うのに、肺野血管影に著名な所見を認めない場合は、
ほとんどの場合、撮影側に原因があります。

左右差が出てしまった。。。
ダイナミックレンジ圧縮処理で誤魔化そう!って考えは絶対にやめてください。

見る人が見たら、簡単にバレます。
素直に上司に報告をして再撮影するなり、画像処理するなりの対応をしてください。

肩甲骨陰影が外せているか

例の写真で見ると左側は、肺野領域に重なるようにして肩甲骨陰影が写っていますね。
右側も十分外せてるとは言い難いです。

手を抜くと、このように証拠として残りますので、毎回しっかりと肩甲骨は
外すように心がけましょう。

骨陰影、横隔膜と重なる部分

骨陰影(主に肋骨)、横隔膜と重なる部分の血管影を、目で追えない場合は、
撮影条件、グリッド、画像処理のパラメータ等を再度見直しましょう。

1枚のレントゲン写真で肺野血管影はもちろんのこと
縦隔部、気管支、横隔膜、骨陰影をうまくバランスをとって写しだすことが大切です。

体動によるボケは無いか

画像にボケ、ブレが見られた場合は撮影の瞬間に患者さんが
動いてしまった可能性があります。

本当に曝射のスイッチを押したタイミングで、運悪く患者さんが動いたのなら仕方ないですけど
大抵は、患者さんの様子を見ずに撮影したからボケタ(x_x;)っていうのが多いです。

どんな撮影であっても、曝射するときは必ず患者さんの様子を確認しましょう。

吸気で撮れているか

ボケと同じで、患者さんが息止めをしているかは、必ず確認が必要。
適当に撮ると、過去写真と比べられてバレますので。

肺野が欠けていないか

肺尖から横隔膜後ろの肺野まで、十分描出されているか確認。

観察対象をギリギリに撮ってこそカッコイイ!
みたいな考え方をしてる技師が極稀にいますけどね。。。

照射野に関しては、ほとんどの施設で半切or大角サイズから
絞ったりすることはないと思います。
だからこそ、フィルムサイズの見極めは重要ですね!

肺野が短い人を半切で撮ってしまったときの、格好悪い写真は恥ずかしいです。

胸部撮影のまとめ

あらゆる撮影の基礎が詰め込まれている胸部写真!

数ある撮影の中でも覚えることや、気を付けるべきことが多い方に位置しています。
だからこそ、正しい知識を身に付けることは大事です。

初めて撮影、ポジショニングについて書いた記事なので、
なんともまとまりのない感じになってしまいましたが。。。
少しでも参考にしていただけたら幸いです。

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